分析と持論を書いていく処

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誠実性と与え方

A. 心理学のBIG5理論(人間の性格は5つの要素の組合わせから成るとする理論)に「誠実性」という項目がありますが、何に対して誠実か、と問うことによって、その人の与え方が明らかになるように思います。

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第一に、私たちが誠実性を持つ対象には、様々なものがありますが、大きく分けて、自身の内にあるもの(1)か、自身の外にあるもの(2)か、に分けられるように思います。

※(1)と(2)の間にはスペクトラム(境界が曖昧のまま段階が連続していること)があり、その内でのある点に対して誠実である、という場合もありますが、ここでは与え方を二種に分けて捉える為、(1)と(2)の二種に分けて考えます。

(2)は、他人から認識できるもの、例えば、成果、数値、収益、継続年数、経歴など、他人と共有できる、他人も自身もなるべく同じように見えるものです。

つまり、これに誠実な人は、他人と共有できないものを持たない人、といえるかもしれません。

これに誠実であると、常に他人目線に立つことになるため、他人の言動に自身の言動が振り回されたり、自身の欲求・感情を思考で抑制しすぎてこれらを感じられなくなったり、その自身の欲求・感情・思考さえも他人と共有して自身のアイデンティティが拡散する一方で、他人に対し、サービスの質における安心感を与えることができるのではないでしょうか。

このような人は、記号やマニュアルやデータが一般よりも好きだったり、毎日同じ時間に同じことを行うルーティンを好む、仕事優先人間であったりするように思います。

B. 対して(1)は、他人から認識できないもの、
例えば、自分独自の欲求、感情、思考など、他者と共有できない、自身にしかわからないものです。

つまり、これに誠実である人は、他人と共有できないものを持つ人、といえるかもしれません。

これに誠実であると、自分勝手でナルシストで自己中心的であるとみなされたり、社会という共同体からはみ出て制裁を受けやすかったり、他人から理解されず援助を受けにくくなったり、独断的で閉鎖的な思い込みに囚われているとみなされる一方で、他人に左右されず何かを継続しその分野で秀でたり、他人に対して、人間性における安心感を与えることができるのではないでしょうか。

このような人は、前衛的なものや芸術や挑戦が一般よりも好きであったり、家族優先人間であったりするように思います。

C. 第二に、両者には、他人への与え方に違いがあるように思います。

前者は、他人が望むことを直接与えて、他人を喜ばせようとしますが、後者は、まず自身が喜ぶことで間接的に他人を喜ばせたり、自身が自身に与えていることを見せることで、他人に自身で喜びを得るよう促したりするように思います。

自身に最も近く、自身を最も深く知り、自身を最も喜ばせられるのは、自身である、と考えるならば、

前者から与えられたものは、即効性がありますが、これによる喜びが続く可能性は低く、後者から与えられたものは、遅効性ですが、これによる喜びが続く可能性が高い、といえるのではないでしょうか。

その為、命に関わるような重大で緊急の要求である場合は、前者が、重大ではなく慢性的に続く根本的な要求の場合は、後者が、それに最も的確に応えることができる、と思いました。

ここ迄読んでいただきありがとうございました。
今日も良い一日をお過ごしください。