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哲学者のニーチェは、道徳を、弱者の恨みに基づく戦略だと考えましたが、寧ろ中途半端な強者の戦略であるように思います。
本当の弱者は、道徳などかなぐり捨てなければ生きていけないからです。
そういう意味で、本当の強者と弱者は全く同じ価値観を共有している表と裏であるとも思います。
頂点と底辺が憎むのは中間ではないでしょうか。つまり、多数派です。
とある倫理学者の本を読んでいて違和感を感じたのはそこです。
その著者は、強者を見上げて、上にいる人々を悪とみなし、これのために客観的な道徳の基準を定めるべきだと主張しており、下にいる人々がその基準によって苦しむことには触れない。
このように、客観的な道徳の基準のよくないところは、自分がそれに従っていると自分自身が善人で正しい人であるように錯覚してきてしまうところであると思います。
もしくは、民主主義の立場をとる、という勝ち馬に乗って、多数派へ迎合し、自分は安全なところに居ながら、ポジショントークとして書かれていたのかもしれませんが。
お読みいただきありがとうございました。
今日も良い一日をお過ごしください。