怒りと欲がもたらす自立
欲・怒りの肯定と他者からの精神的な自立は密接に関係しているように思います。
例えば、親離れ・子離れといった他者からの自己の確立を目指す人は、まず自身の欲(生理的な欲、物欲、承認欲、安全欲、愛情欲等)、怒りを肯定すればこれが可能になるのではないかと経験上思います。
そうであるとすると、自立とは、壁をつくること、自身の縄張りを決めること、専有すること、これを守ったり拡大したりすることであるのかもしれません。そして、争い、国家、契約、政治等に関係するものといえるのかもしれません。
但し、このようにして、独立的・利己的・個人主義的な精神を持つことは、西洋的な文化には馴染みやすいですが、日本的な文化にはそうではないように感じます。
その為、日本古来の文化の根強い場で、上のように怒りと欲を肯定しても、これらを表出させると向社会的でない(協調性が欠如している)とみなされる傾向があるように思います。